電線束がショートか=太陽電池の発電増で過熱−設計不十分・観測衛星「みどり2」


昨年10月、世界最大級の地球観測衛星「みどり2」が電力不足で通信が途絶し、運用断念に至った原因は、太陽電池パドルで発生した電力を衛星本体の電源システムに送る電線の束がショートしたか、切れた可能性が高いことが分かった。宇宙航空研究開発機構が21日、文部科学省宇宙開発委員会の調査部会に報告した。
 みどり2は日本、米国、フランスの観測機器を5台も搭載しており、太陽電池パドルの発生電力を初代の「みどり」の約4.5キロワットから約5.3キロワットに増やした。その結果、パドルの付け根にある電線の束の電流量が増えて約230度に過熱し、ショートか断線につながったとみられる。
 宇宙機構はこの推定が正しいか、検証試験を続けているが、幹部は部会後、「電線の温度がそこまで高くなるとは思わなかった」と話し、設計が不十分だったことを認めた。
部品数が多くテスト機会は少なく失敗が許されない宇宙開発の分野は本当に簡単なことで命取りになるなぁ。H2Aは超頑張れ。